膝半月板損傷
半月板とは
膝の関節の中にある軟骨で、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)の間に挟まれるように存在します。
内側と外側で二枚あり、内側半月板は大きなC型、外側半月板は小さなO型になっています。役割はショックの吸収、荷重の伝達・分散、膝の安定、関節の潤滑などです。
損傷の原因
体重をかけた状態で膝を捻じるような動きで損傷されることが多く、スポーツなどによる外傷と、加齢により脆くなった半月板が微妙な外力によって損傷される場合があります。半月板単独で損傷することもありますが、前十字靭帯などの損傷に合併することも多いです。
また、外側半月板が円板状になった形体(円板状半月)のものがあり、特に日本人に多いです。
大腿骨と脛骨に挟まれ、損傷しやすくなっています。
半月板は血行に乏しい組織で外周辺約1/3では血行があり治癒する可能性がありますが、その他の部位では自然治癒は望めません。
症状
- 屈伸時の引っかかり感
- ガクッと急に力が抜ける(膝崩れ)
- 曲げることも伸ばすこともできなくなる(ロッキング)
- 膝の腫れ(腫脹・水腫)
- 膝が伸びきらない、しゃがみ込めない(可動域制限)
- 慢性的な例では太ももの筋肉の痩せ(筋萎縮)
診断
受傷の状況や症状をもとに、症状を再現させる徒手ストレス検査、MRI撮影や内視鏡検査によって確定します。
治療
手術療法と、保存療法があります。
損傷状態により、引っかかりやロッキングが改善しない場合には関節鏡を利用した手術を行います。
保存療法では、状態に応じて漸増的にリハビリテーションを実施します。
スポーツ復帰に際して、サポーターを装着することもあります。
リハビリテーション
初期には安静や鎮静を目的にアイシングや、松葉杖で免荷を図り、太ももの筋肉の萎縮を避ける為に、なるべく早期から筋力トレーニングを開始します。
関節運動を伴わない筋肉を収縮させる訓練から開始し、回復に合わせてスクワットなど体重をかける運動や、痛みもなく動作が安定すればジョギングやジャンプという形で段階的に進めていきます。
スポーツ復帰の時期や、治療内容などは医師、機能訓練士がアドバイスをしていきますので、お気軽にご相談下さい。