アキレス腱断裂とは
アキレス腱は、“下腿三頭筋”というふくらはぎの筋肉の続きであり、“踵骨”という骨に付着します。主にテニスやバレーボールでの、踏み込み、ジャンプなどで受傷しやすく、受傷の瞬間は、アキレス腱をバットで叩かれた様な感覚であることが多いようです。
受傷の多くは中年期のスポーツ愛好家と言われていますが、実は活動量の多い20歳、28歳での受傷が最も多く、若年層の方も注意が必要です。
下腿三頭筋は、つま先立ちなどの動きで働くため、ジャンプやステップなどの動作で強く力を入れたときや、着地動作などで急に筋肉が伸ばされたときに断裂を起こします。
原因
- スポーツ動作(ジャンプ、ステップ等)によるアキレス腱への強力な牽引力
- 下腿三頭筋の柔軟性の低下
- 加齢によるアキレス腱の変性
原因
- アキレス腱部の陥凹
- つま先立ちが出来ない
- 腫脹
- 熱感
診断
- アキレス腱部の陥凹の触診
- 圧痛
- トンプソンテスト
うつぶせでふくらはぎを掴み、つま先の動きの有無を判断します。
アキレス腱の断裂があるとつま先が動きません。
一般に特殊な検査が必要なことはほぼなく、アキレス腱部分に陥凹があるかを触診することが一番確かな診断だと言われています。ただし腫脹が強く陥凹が触知できない場合はエコーやMRI検査を行います。
治療
手術療法 | 保存療法 | |
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概要 | アキレス腱を手術でつなぎ合わせます。入院が必要です。 | 手術をせずにギプスを固定して、回復を待ちます。 |
スポーツ復帰 | 約4-6か月 | 約7-9か月 |
リハビリ期間 | 術後早期から可能の為、保存療法と比べ短い | 長期間のギプス固定が必要となる為、長いリハビリ期間が必要 |
傷跡 | 傷跡が残る | 手術をしない為、傷跡はありません |
運動療法
断裂部の回復過程に合わせ、運動療法を行います。 損傷部に影響のない範囲での自動運動から開始し、高強度のトレーニング、競技動作などを取り入れ、スポーツ復帰(日常生活)へ向けリハビリを行っていきます。
スポーツ復帰の時期や治療内容などは医師・機能訓練士がアドバイスをしていきますので、お気軽にご相談ください。