ジャンパー膝とは
バレーボール、バスケットなどジャンプが多い競技に好発するスポーツ障害ですが、サッカーなどの走る競技にも多く見られます。
膝のお皿『膝蓋骨』には太ももの筋肉『大腿四頭筋』が付着し、大腿四頭筋が膝蓋骨を介してスネの骨を引っ張ることで膝を伸ばすことが出来ます。ジャンプなどで膝の屈伸を繰り返すと、膝蓋腱に過度の牽引力が加わり炎症が起こります。
10代の男性に多く、3分の1は両側に発症しています。
原因
・ジャンプ、ダッシュなどによる大腿四頭筋のオーバーユース
・大腿四頭筋の柔軟性の低下
・成長期の骨の成長に筋肉の伸びが追い付いていない
症状
・膝蓋腱の圧痛(特に膝蓋骨との付着部)
・熱感
・腫脹
・ジャンプ等、スポーツ動作中の膝前面の疼痛
主な圧痛部位
診断
運動時に発生する膝前面の疼痛と圧痛、局所の熱感、腫脹、を確認し診断します。
所見として、腹ばいにして膝を曲げると、大腿前面の突っ張ったような疼痛を逃れる為に尻上がり現象【画像①】が出現します。
ほとんどの場合、レントゲンでは異常の診られることは少ないといわれています。
MRIでは腱の肥厚などがみられる場合があります。
成長期に多く見られる、オスグッド・シュラッター病と症状が類似している為、病院での受診をお勧めします。
運動療法
スポーツの前にはストレッチングを十分に行い、スポーツ後にはアイシングを行います。
発症しても軽症あるいは中等症であればスポーツは続けられるので、適切なコンディショニングによってそれ以上に悪化させないことが大切です。
スポーツ復帰の時期や治療内容などは医師・機能訓練士がアドバイスをしていきますので、お気軽にご相談ください。