骨粗鬆症とは
骨粗鬆症は、骨の量が減少したり、骨の質が劣化したりして骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨の強さは、骨密度で決まります。骨密度は18歳でピークに達し、40歳半ばまではほぼ一定を維持し、50歳前後から低下していきます。特に女性は閉経を迎えると急激に骨密度が減少します。
日本には骨粗鬆患者が約1000万人以上いるといわれており、65歳以上の女性では半数近くが骨粗鬆症であるといわれています。また、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。
原因
・閉経後の女性ホルモンの低下…骨の代謝には女性ホルモンが関与します。閉経による女性ホルモンの減少が骨粗鬆症の大きな原因となります。
・老化
・生活習慣・・・飲酒、喫煙、極端なダイエットなど
症状
骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなったり、背中が丸くなり身長が縮んだりします。
- 骨が脆くなり、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。
- 骨折が生じやすい部位は 背骨(胸椎・腰椎の圧迫骨折)
手首の骨(橈骨遠位端骨折)
太ももの付け根の骨(大腿骨頸部骨折) - 骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなったり、背中が丸くなり身長が縮んだりします。
診断
- 画像検査…レントゲン、CT、MRIなど
- 骨密度測定…X線またはCT、超音波などを使った専用の装置で測定します。
骨密度は当院にて検査出来ます。 - 骨代謝マーカー…血液検査、尿検査で骨吸収(骨の古い部分の破壊)、骨形成(新しい骨の形成)の状態を測定します。治療薬の決定や治療効果の確認もこの検査で行います。
下記に該当する場合は骨粗鬆症と診断されます。
- 骨密度が若年成人平均の70%以下
- 脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折の脆弱性骨折がある
- 上記以外の脆弱性骨折があり、骨密度が若年成人平均の80%以下
※脆弱性骨折…骨が脆く、通常では骨折しない様な軽微な外力で起こる骨折
その他に…
骨の丈夫さチェック
- 牛乳・乳製品をあまりとらない
- たばこ、お酒をよく飲む
- 天気がよくてもあまり外にでない
- 体をあまり動かさない
- ★ 最近、背が縮んだ
- ★ 最近背中がまるくなり、腰が曲がってきた
- ★ ちょっとしたことで骨折したことがある
- 体格はやせ形である
- 糖尿病や、胃や腸の手術を受けたことがある
- 閉経をむかえた(女性)
- 70歳以上である(男性)
この中で多く項目に当てはまる方、特に★印に該当される方は1度診察に来院ください。
くしゃみ、起き上がり、軽い尻もち等、特別な機序なく骨折している場合もあります。
治療
- 薬物療法…骨の減少を防ぎ、骨量を増加させる薬を処方します。
定期的に治療効果を確認し、場合によっては治療薬を変更することもあります。 - 食事療法…カルシウムやビタミンD、マグネシウム等の多い食品を積極的に摂ります。乳製品、豆類、魚介類などがこれに該当します。
また、インスタント食品に含まれるリンや、食塩、カフェイン、アルコールなどは過剰摂取するとカルシウムの吸収を妨げてしまうので注意が必要です。 - 運動療法…骨は運動をして負荷をかけることで丈夫になる性質があります。
また、運動により筋肉が増えることで転倒を防止し、骨折予防に繋がります。
毎日の散歩等、適度な運動を続けることが効果的です
骨粗鬆症は早期発見、早期治療が効果的です。
当院にて検査も可能ですのでお気軽にご相談下さい。