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スポーツと栄養


スポーツでパフォーマンスを向上させるためにトレーニングと同様に必要な要素が栄養と休養です。トレーニング効果を効率よく発揮させるために適切な食事を取ることが重要になってきます。

3大栄養素の役割

 食事は、身体に必要なエネルギーと成分構築の材料を得るために行います。スポーツ選手の場合は普通の人よりもエネルギーを多量に消費するため、食事により多量のエネルギー(キロカロリー:kcal)を取る必要があります。エネルギーを供給する食事中の成分は、炭水化物・脂質・たんぱく質で、これらを3大栄養素と呼びます。

 スポーツ選手のトレーニングにとって特に重要なのはたんぱく質です。トレーニングによる筋肥大の材料になります。そのため、食事の中心となるのはたんぱく質に由来するアミノ酸です。炭水化物と脂質はエネルギー供給の主役です。これらの適切な割合は競技やトレーニング時期によって変わってきます

スポーツを行う身体作りを行う上で特に大切な栄養素

<エネルギーの供給>

炭水化物と脂質

激しいトレーニング等で消費されるエネルギー(カロリー)は食事や飲料から補わなければなりません。炭水化物は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9calのエネルギーを含んでおり、少量で効果的にエネルギーの補給ができる栄養素です。甘い菓子や飲み物はエネルギーとしては十分ですが、砂糖や油脂などを多く含み、ビタミン・ミネラルなどは含まないことから米・パン・パスタなどの主食で補うことが勧められています。

 

<筋肉の肥大と骨格の強化>

たんぱく質とミネラル

筋肉を強くする(筋肥大)ためには、特に動物性のたんぱく質の摂取が効率的とされています。また、骨を強くするためにはカルシウムの摂取が必要です。動物性のたんぱく質である肉や魚、卵の他にも納豆や豆腐といった大豆製品でもたんぱく質の摂取は可能です。カルシウムは乳製品、小魚などで、吸収を高めるビタミンDと共に取ると効果的です。

 

<コンディションの維持>

ビタミン、ミネラル、水分、食物繊維

ビタミンは炭水化物やたんぱく質を効率よく吸収するために重要な役割を担っています。そのため、主食や肉・魚だけでなく野菜や果物をバランスよく食事に取り入れることが大切です。

トレーニング等で失われるものとして、発汗による脱水に対しては水分、ミネラル(主にナトリウム)の摂取が重要です。一般にのどが渇いて飲む水の量は身体が必要とする量の23にしか満たないので、少し多めに飲むように心がけると良いでしょう。

また、特に女子選手は鉄欠乏性貧血がパフォーマンスを低下させる原因になるため積極的な鉄分の摂取も必要です。鉄分は肉類や魚介類、レバー、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜などに多く含まれます。吸収を高めるビタミンCを含む食材と同時に食べることが効果的です。

体重の管理が必要な選手にとって便秘予防の観点から過剰に取った脂質を排泄してくれる役割を持つ食物繊維の適切な摂取も勧められています。

疲労回復に必要な栄養素

疲労回復で最も重要なことは、エネルギー源を補給することです。グリコーゲンの原料となる炭水化物とたんぱく質を同時に摂取することが効率的です。タイミングとしてはトレーニング直後とされています。練習後などに炭水化物とタンパク質が3:1の割合の飲料を摂取するのが最適です。市販のゼリー飲料やエネルギー飲料を用いると素早く摂取しやすいと思います。

 また、運動直後には発汗などで失われた水分・ミネラルの補給も必要になります。疲労回復に必要なクエン酸やビタミンCを多く含むオレンジやレモンなどのかんきつ類のジュースなどでもよいですが、糖分を控えたい場合は、果汁を水に加えて摂取するなど、水+ミネラルを同時に補給するよう心がけてください。515℃に冷やすとより効率よく吸収されると言われています。 

ケガの回復に必要な栄養素

筋や腱の炎症などによるスポーツ障害において、必要な栄養素はコラーゲンです。コラーゲン(ゼラチン質)を多く含む食材としては、豚足、手羽先、牛テール等があります。コラーゲン合成のためや創傷治癒にはビタミンCも必要なため果実類、生野菜も欠かせません。

また、故障中の食事については、体重増加を防ぐことも重要とされています。消費エネルギーが減少するため、摂取エネルギーを抑えなければなりません。トレーニングできない心のストレスを考慮すると、食事量を減らすより、調理法や調味料を工夫し、摂取カロリーを抑える、または、一回の食事量を減らし回数を増やし、空腹感を防ぐような配慮も効果があります。

スポーツ選手の栄養管

  • トレーニングだけでなく食事・睡眠・休養の生活管理が大切。
  • 食事によるエネルギー・栄養摂取は過不足なく、バランスが原則。主食・主菜・副菜を整えて、偏食・欠食・不規則食を避けましょう
  • 自分にとって最適なBMI・体脂肪率を知り、毎日、体重・体調をチェックしましょう
  • 体調、トレーニング強度、トレーニング時期に応じた栄養素・食事の取り方を心がけましょう
  • 女性は鉄とカルシウムが特に大切。食事内容を工夫し、体調管理に気をつけましょう。
  • 減量には十分な期間を設け、たんぱく質・ミネラル・ビタミン・水分を十分に摂取するよう心がけましょう

 

スポーツ選手に限らず、リハビリテーションでは、栄養管理も重要になります。機能訓練士がアドバイスしますので、お気軽にご相談ください